コラム

相続財産に不動産が多いときの対処法

相続した不動産を複数の相続人で分ける場合、「誰かが単独で」「相続人全員で共有物として」「土地を分割して」相続することが多いです。

共有物とすると将来売却するときに困ることが多いため、相続人間で費用を出し合って分割することもあります。

そこで、今回は、相続不動産の現物分割(分筆)についてまとめました。

分筆とは

分筆とは、登記上の1つの土地を複数に分ける登記手続きのことをいいます。

相続では、相続不動産の現物分割として使われます。

下の図のような場合に分筆をすることが多いです。

A・Bはどちらも賃貸アパートです。

このままでは土地の形と建物の形が合っていないため、すべてを誰かひとりに相続するか、すべてを共有物とするかになってしまい、平等に相続することが難しくなることがあります。

そこで、土地全体を測量し、建物の形状や土地面積を考えて、緑の線の部分で土地を分割します。

これにより、相続人がある程度平等に遺産を相続することができるようになります。

分筆の流れ

タイムラインのタイトル
  • 1
    土地家屋調査士に依頼
  • 2
    資料調査

    法務局、市区町村等にある資料を調査

  • 3
    現地調査

    現地確認、現地測量など

  • 4
    境界の確認

    隣接土地所有者と立会して境界を確認

  • 5
    分筆案の提示

    司法書士や税理士などの専門家と話し合い分筆案の提示

  • 6
    境界標の設置

    境界点に境界標を設置

  • 7
    登記申請

    土地分筆登記を申請、土地地積更正登記や地図訂正の申出が必要であれば併せて申請

分筆でもっとも重要なのは、隣接土地所有者との境界の確認です。

「隣接土地所有者全員が境界に異議がない」ことが分筆の条件となるため、お隣と仲が悪いとうまく進まないことがあります。

また、お隣の方が所在不明という場合もあり、手続きが進められないということもあります。

そのような場合でも対処する手段はあるのですが、解決に1年以上かかることも珍しくないため、急いで分割したいというような場合には適していません。

通常の土地分筆登記についての詳細は↓

まとめ

土地分筆登記の費用は、30万円程度で終わることもあれば、100万円を超えることもありますが、相続財産が不動産に偏っているという場合は、土地分筆登記が有効かもしれません。

分筆によって、固定資産税や相続税の評価に影響がある場合もあります。

当事務所では、司法書士や税理士と提携しているため、様々な手続きをワンストップで対応することができます。お困りの際はお気軽にご相談くださいませ。