相続手続きにおいて絶対と言っていいほどやらないといけないのが、亡くなった方の銀行口座の名義変更です。
この名義変更には、さまざまな書類が必要となり、書類に不備があると何度も銀行の窓口に足を運ぶことになってしまいます。
今回は、この銀行口座の名義変更についてお話します。
銀行口座の相続とは?
銀行口座の相続には大きく2つの方法があります。
①口座の名義を変更して引き継ぐ方法
②口座を解約して預金の払い戻しを受ける方法
一般的には、②の方法で手続きを行うことが多いです。
口座が凍結される?
口座の名義人が亡くなったことを銀行が知ったときは、その口座は凍結されて一切の入出金ができなくなります。
この口座を名義変更するためには、銀行へ戸籍等の必要書類の提出しなければならず、準備から完了まで1カ月程度はかかります。
仮払い制度
葬祭費などですぐにお金が必要な場合もあると思います。
そのような場合のために仮払い制度というものがあります。
仮払いできる金額は
死亡時の預金残高×3分の1×払戻しを受ける相続人の法定相続分
を限度として、各相続人が単独で払戻しを受けることができます。
なお、同一金融機関からの払戻しには限度額があり150万円が上限となっています。
死亡後の預金引き出しに注意
キャッシュカードを持っていて暗証番号を知っていれば、亡くなった方の預金を引き出すことは可能です。
しかし、これをやってしまうと相続放棄ができなくなり、負債も引き継ぐことになります。
また、相続人同士でトラブルになることも予想されますので、できるだけ口座からお金を引き出すようなことは止めましょう。
名義変更の事前準備
①口座の特定
亡くなった方の遺言書やエンディングノートがあれば簡単に見つかりますが、そうでない場合の方が多いのが実情です。
このような場合は、自宅などを捜索して通帳やキャッシュカードを確認したり、郵送物やレシートなどから調査して特定します。
支店名や口座番号が分からなくても、銀行名が分かれば必要書類を提出することで調べてもらうことができます。
②相続人の調査(戸籍収集)
相続人が誰なのかを調べるために戸籍謄本を取得します。
詳しくは、以下のリンクをご覧ください。
③遺言書を探す
遺言書があれば、その内容に従って銀行口座の名義変更を行うことになります。
遺言書の保管場所としては、ご自宅以外にも銀行の貸金庫に保管されている場合もあります。
また、公正証書遺言を作成されている場合は公証役場、自筆証書遺言保管制度を利用していれば法務局へ請求することで、遺言の有無や内容を確認することもできます。
自宅等で発見された自筆証書遺言については、開封する前に家庭裁判所で検認を受ける必要がありますので注意してください。
④遺産分割協議をする
どのように口座にある預金を引き継ぐかを相続人全員で話し合います。
話し合いで決まった内容をもとに遺産分割協議書を作成し、相続人全員が署名し実印を押します。
これぐらいあれば大抵の金融機関では名義変更の対応をしていただけると思います。
詳しい手続きは、各金融機関にお問い合わせください。
まとめ
口座の名義変更手続きは、平日に各銀行窓口に行かなければならないことが多く、働きながら時間を作って手続きを進めることは非常に大変です。
専門家に依頼すると、戸籍収集から名義変更まで全て代行してもらえます。
当事務所では、各専門家と提携し口座の名義変更以外にもさまざまな相続手続きをワンストップで対応しております。相続でお困りの際はお気軽にお問合せくださいませ。